実物のタルゴナとイカゲーム:このゲームの元ネタを辿る
ゲームの題材は韓国の菓子タルゴナ(달고나)。日本ではイカゲームで知られるようになった型抜き菓子です。ここでは Wikipedia の記述から、素材・歴史・型の由来を整理し、ゲームのどこが実物に忠実で、どこが省略されているかを考えます。
01タルゴナとは何か
タルゴナ(달고나)は、砂糖にベーキングソーダを入れて棒でかき混ぜて作るキャンディーです。砂糖を加熱して溶かし、重曹を混ぜると二酸化炭素が発生して膨らみ、茶色く色づきます。それを平らに伸ばして冷ますと、気泡の穴が無数に入った板状の飴になります。
1960 年代に誕生したとされ、もともとは砂糖ではなくブドウ糖が使われていました。しかしカビが発生したことから 1980 年代に販売中止となり、以後は砂糖が使われるようになったという経緯があります。
商店で売る一般のお菓子より安く、味も薄いため、かつては韓国の子どもたちが好んで食べたおやつでした。型取りをしてさまざまな形のタルゴナを作ったり、型抜きをして遊んだりする、遊べるお菓子でもあります。
02呼び名と表記
型抜きができるものを指すときは、タルゴナではなく뽑기(ポッキ)という言葉が使われます。뽑기 は「抜くこと」を意味する名詞で、日本語の「型抜き」に近い語感です。英語では dalgona、ppopgi と表記されます。
ゲームタイトルの Dalgona Candy Honeycomb Cookie は、この 3 つの言葉を組み合わせたものです。Dalgona(菓子の名前)、Candy(飴)、Honeycomb(蜂の巣のような気泡)、Cookie(クッキー)。同じものを指す言葉を 4 つ並べているので、英語圏の読者には「韓国の飴菓子」という情報が伝わりにくい名前でもあります。
| 区分 | 表記 | 読み |
|---|---|---|
| ハングル | 달고나 / 뽑기 | タルゴナ / ポッキ |
| 文化観光部 2000 年式 | dalgona / ppopgi | — |
| マッキューン=ライシャワー式 | talgona / ppopki | — |
| 英語 | dalgona / ppokki | — |
| 日本語 | タルゴナ | 韓国語の音写 |
03イカゲームの第 2 ゲーム
Netflix のドラマ『イカゲーム』の第 2 ゲームには、丸・三角・星・傘のマークが描かれたタルゴナが登場します。参加者は制限時間内にその型を抜かなければならず、割ってしまうと失格になります。ドラマの公開後にこのお菓子の人気が高まった、と Wikipedia は記録しています。
この 4 種類は、型抜きの難易度を象徴する組み合わせとして定着しました。丸は最も簡単、傘は最も難しい。ゲームの題材として選ばれたのも、この「一目で難しさが分かる」性質があったからだと推測できます。
本作の型がこの 4 種類と一致するかは不明です。パッケージ名に squid が含まれることだけが傍証ですが、これは開発元の命名であって中身の証拠ではありません。
04音と手触り
同梱モバイル版の説明には「ASMR satisfying」という表現があります。型抜きの音——パキッ、ザクッという乾いた破断音——を、ゲームの中心に置いているという宣言です。実際のタルゴナ型抜きは、成功しても失敗しても音が派手に出ます。
Web 版については、配信ページに音の記述はありません。ただしトレーラー動画が用意されているので、音の雰囲気は動画で確認できます。音量は最初から大きめに設定されている可能性があるため、イヤホンで遊ぶ前に一度確認しておくと安全です。
05タルゴナコーヒーとは別物
Dalgona という言葉を検索すると、タルゴナコーヒー(ダルゴナコーヒー)という飲み物が大量に出てきます。これはインスタントコーヒーと砂糖と水を 1:1:1 の割合で混ぜ、泡立ててホイップ状にし、牛乳の上に乗せたものです。見た目がタルゴナに似ていることから名付けられました。
本作の Dalgona は菓子のほうです。コーヒーではないので、攻略情報を探すときにタルゴナコーヒーのレシピページに迷い込まないよう注意してください。型抜きの話が出てこないページは、ほぼ別の話題です。